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2016/02/01

卒業生 桑島秀樹さん 写真展「Parallax」を開催

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「At the Ruins, 1963'」2011年 Gelatin Silver Print , Film-based Photography, 728x875mm 

本校卒業生で、講師でもある桑島秀樹さんが写真展「Parallax」を開催いたします。

 

桑島秀樹写真展 「Parallax」

 2016年2月19日(金)-3月21日(月)

hpgrp GALLERY TOKYO

〒107-0062 東京都港区南青山5-7-17 小笠原流会館 B1

 

オープニングレセプション:2016年2月19日(金) 19:00~21:00

 

hpgrp GALLERY TOKYOさんのHPはこちら

 

hpgrp GALLERY TOKYO HPより

『hpgrp GALLERY TOKYOより、写真家・桑島秀樹による個展「Parallax」の開催をご案内申し上げます。 1964年、大阪市内の写真館に生まれた桑島は、日本写真専門学校を卒業後、コマーシャルスタジオを経て現在写真家と して活躍しています。1997年「東京国際写真ビエンナーレ」に入選。その後、積み上げられたグラスやデキャンタを 撮影し、曼荼羅を思わせる世界観で世界的評価を得た「THE WORLD」シリーズを発表しました。

本展では、自身と父親との時間的、感情的なレイヤーを表現した「Parallax」シリーズをご紹介いたします。 本シリーズは、写真館を営んでいた父親が撮影した多くの肖像写真に、ガラス越しにカメラを向けて多重露光で一枚 の作品として完成させています。 Parallaxとは、二眼レフのようにファインダーとレンズの位置が異なる場合、撮影された画像に生じる物理的な「視差」の ことです。 桑島にとって重要な意味を持つ父と父の作品達は、長い年月を経て桑島の作品の中で新たなレイヤーとし て現れました。 父の視点を、桑島自身の「視点」として一枚の写真に内在させた本シリーズをこの機会にぜひご高覧くださいますよう お願い申し上げます。 』

 

 

Artist's statement

作品のべースとなる肖像写真は1950年代より60年代にかけて写真家である父によって撮影されたものである。

当時、写真撮影を生業とするものは写真士(師)または写真家として認識される度合いが現在よりも強く、特別な技術が備わった職人として業界隆盛の一端を担う存在であった。

また肖像写真家としての確立を更に目指すべく作品制作は父にとって絶対的なものであったと思われ、盛んにプロ、アマ問わず彼の審美眼に叶ったモデルがスタジオ、ロケ等で幾度もカメラに収められていた。

それら人像の殆どは営業写真のそれとは相反するように笑顔が無く、且つ穏やかさが排除されており、僅かな点数に見られるその微笑みも重厚さを伴った独特な重苦しさで表現されていた。

自宅兼スタジオであった我が家にはそんな父の作品や仕事としての写真が溢れており、その家中において物心ついた私にとっての唯一の鬼門の場は"写場"(しゃじょう)と言われた2階のスタジオであった。

来客時以外は僅かな明かりが灯るだけのその場所には成人式や七五三等の商品としての写真を凌駕する程の前述の作品が数多く展示され、それはある種、営業を度外視した程に思えるさまで、 幼い私はその場で作品と対峙する事に奇妙な恐怖心を抱き続けていた。

現在ではそれゆえの「力強さ」と解釈できようものだが、子供心にはそのような理解力など持ち合わせようもなく、恐い割にはその理由を探ろうとしたのか、日中に限り、離れたり寄ったりして眺めたものである。

しかし、 その不気味な底気味悪さに変わりはなく、整然と配置された作品群を前にすると何者かに取り囲まれたかのごとく、暗くて重い空間に身を落とし込まれるような気持であった。

 

午後7時過ぎ、写真館営業終了時、父の命により写場の消灯係は常に私であり、元来封建的な家風故、嫌とも言えず暫くは必要以上の勢いで階段を駆け上がり、慌てて全てのスイッチを切リ、すぐさま階段を転げ降リるという有様であった。

あまりのけたたましさに程なく叱りを受け、無い知恵を絞ったあげくその後私は薄目をしたまま階上での全てをこなす毎日を送った。

眼前に広がるぼんやりした風景を頼りに明かりを消す事で手際良く仕事が出来、薄目で見たスタジオに溶ける作品群は人像としては認識できるものの、見る手法を変えた事でその捉え方にも変化が生じ、ある種ぼんやりとした物体としての存在となり、以前のそれとは違った印象で受け止められたのである。

その一連の作品との出逢いは結果私が作家として歩む上での重要な事柄となり、畏敬の念を抱きつつ今作ではそれら作品、父、また写真を用いた表現者としての自らと如何に向き合うかをテーマとし、実験さながらの所作においてこの制作に至った。

はっきリとしたあの時の記憶を頼りに額装に見立てたガラス越しの肖像作品に力メラを向け、私(カメラ)がそのガラスに映り込んだ画像に焦点を合わすと丁度薄目をあけて見ていたあの頃のぼんやりとした作品がファインダーに現れた、そしてまた作品に焦点を合わせ、また自分(カメラ)に合わせ直してみる。

繰り返して行く程、その動作はまるで父との見えない距離を測る行為にも思え、カメラの小さな目盛では測り得ない近くて遠い記憶との距離を感じたのである。

そしてその始終を当時使用されたフィルム力メラで多重露光を用いて一枚の作品に仕上げた時、その鑑賞距離の変化によって僅かに変貌するニ重潜像の内在する視差からは前述の父との関係性と併せ、自らの生業の趨向をもぼんやりと確認する結果となった。

                                                                                                                                                  桑島秀樹

 

 桑島先生のプロフィールと会場地図はこちら(※クリックすると大きくなります。)

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